TAMRON 35-150mm F/2-2.8 レビュー 君はまだ本当のポートレートレンズを知らない

TAMRON 35-150mm F/2-2.8 レビュー 君はまだ本当のポートレートレンズを知らない

はじめに

2021年下旬、タムロンから”トンデモナイ”レンズが発表されました。

TAMRON 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)

タムロン 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058) 製品ページ
世界初、広角端開放F値F2を達成。準広角から望遠までシームレスに撮影可能なソニー Eマウント用大口径ポートレートズームレンズです。

望遠ズームと言って良いのか、35mm - 150mm をカバーする最強のポートレート用レンズです。

注文するのが遅かったので、発売前に注文したにも関わらず1ヶ月待ちでした。

2ヶ月ほど経ったので、今回はこのレンズをレビューしたいと思います。
(特に断りがない場合、掲載写真はすべてこのレンズで撮られています。)

実はコツを掴めるまで時間がかかり、一時は売っ払おうか真剣に悩みました。

YoutubeやWeb上での他の人の作例を見ても、同じように苦戦している人が多そうで、自分の中でビビッと来る作例が少なかったように思います。

同じように悩んでる人の参考になりますように、作例たっぷりでお伝えしたいと思います。

というかポートレートレンズなのにレビューとか書いて、ポートレートの作例殆ど出してない記事は一体何なんだ・・。

先ずポートレートレンズとは

タムロン自身が、ポートレートズームと呼んでいます。

僕は35mmの画角が大好きで、登場したときは「よくぞ!この画角で出してくれた!絶対に買う!!」と興奮したのを覚えています。

【ポートレート】SEL35F14GM -FE 35mm F1.4- ポトレ神レンズをレビュー
35mm大好きマンがついにたどり着いた理想郷。それがSEL35F14GMもといFE 35mm F1.4 Gmaster。おそらくマイベストレンズ。ポートレートに最強なこのレンズを、作例とともにご紹介。

SONY 35mm G masterのレビューなんかも以前書いております。

35mmのススメ。そしてさらば神レンズ
こんにちは!医学生でフォトグラファーのikoraです。3年ほど使っていた愛用レンズSIGMA35mmF1.4 Artを売却したので, 供養として35mmの魅力とSIGMAレンズについて作例盛りだくさんで語っていきます。

また以前のサイトでは、「35mm 神レンズ」で検索一位になってます。

話を戻しましょう。ポートレートズームとはなんぞや?ということです。

こちらは同じくタムロンから発売されている、70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)で撮影した写真です。(180mm望遠端で撮影)

望遠ズーム(大三元)で撮ってるなぁって感じの写真です。「The・ポートレート」という感じがしますね。

僕が35-150mmを手にした時、こんな感じで望遠ズーム的に撮ると思ってたのですが、それが大きな勘違いだったのです。

このレンズを手にした当初、150mmの望遠端で撮影した写真です。

望遠レンズで撮った感じの圧縮感ですね。これはなんとか形になったのですが、他の写真の打率がダメダメで結構悩んだ覚えがあります。

ここで「タムロンの言うポートレートとはなんぞや?」という哲学的な問いが頭の中にかすめました。

このレンズのホットスポット

35mm(ワイド端)で撮影

このレンズを先程の望遠ズームレンズと同類と思うと、痛い目にあうのです。実際、レビュー記事で中途半端な写真が多いのは多分そのせいです。

35mm付近のポートレートが一切ないのです。ということはこのレンズの良さの半分を殺しています。(ズームレンズはだいたいテレ端と望遠端ばっかり使うと言われてますから)

35mmで撮影

広角〜標準側のポートレートが”ちゃんと”撮れる人にとっては、このレンズは至高です。

逆にいつも望遠ズームレンズで、レンズに写真を撮らされているような方には、デカイだけの「嫌なレンズ」となり得るでしょう。

広角の1mmと望遠の1mmの差が違うことを考慮すれば、このレンズのホットスポット(中央値)は実は50mm付近であると言えます。

だから被写体との距離感は50mmレンズのつもりで挑まないといけないのです。

50mmで撮影

同じく50mmで撮影

望遠域はどうなの?

先程、ホットスポットは50mmとお伝えしました。

50mmを基準にアップの写真を撮るというのがこのレンズのハックかなと思っております。具体的にはこんな感じです。

90mmで撮影

150mm(テレ端で撮影)

81mmで撮影

如何でしょうか。50mmの感覚で撮った後、もっとアップしたいなというときはズームレンズに手をかければいいと思います。

おそらくその使い方が、最もこのレンズに合ってます。

そして状況を説明したいときには、35mm側に振る。でいいと思います。

ポートレート以外はどうなの?

物撮りはできなくはないです。画角としては悪くないかと思います。

ただデカイので、テーブルフォトという感じよりはプロダクトよりになってしましますね。

また物撮りだけでなく簡単なスナップ写真も

正直、オーバースペックと言うか、スナップやお写んぽからは程遠いカメラです。単焦点レンズとかで、足を稼いで丁寧に切り取る。みたいな楽しさは一切ないですね。

恐ろしく大きいレンズですから。

このレンズのいいところ

さぁそろそろ結論に入っていきましょうか。

まずこのレンズのいいところですが

  • ポートレートでは必要十二分の画角
  • AFが早いので気にならない
  • レンズの質感がとても良い

ポートレートを真剣に撮っている人なら、コツを掴むのに時間かかりますが、絶対的にオススメです。

ヘビー級レンズですが、AFよし、画角よし、ホールド感よしで、撮影のテンポはかなり良いかと思います。

腕力と写真力が上がると思います。

このレンズの良くないところ

  • バカみたいな重さとデカさ

これはトレード・オフなのでこの点を攻撃するのは間違ってるのは百も承知ですが、それにしてもドン引きの大きさです。

恐らく35mm ~ 75mm 付近が必要ない人にとっては、絶対に要らないレンズになると思います。

かばんに入れるのも躊躇うほどのデカさです。

もしそうであるなら、タムロンから出ている28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)と70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)の2本持つのも一つの手だと思います。

  • 可変F値は想像以上にストレス

屋外で撮影するとわかりますが、これは相当なストレスになります。

設定でどうにかなると思いますが、僕の設定では最小F値に設定しているので、ズームしている間に露出が下がります。

35mmでF2, 75mmでF2.8。一段も変わってくるので、相当なストレスになります。

特にワイド側を多用する人は困るでしょう。

どうせ35mmのF2って大してボケないから、F2.8でも良かったんじゃないかなとか思ってしまうほどです。(まぁそうなったところで小型になるわけでもないから仕方がないかな・・。)

  • 単焦点を試したくなる

僕自身は、このレンズが久しぶりのズームレンズです。

📸写真・カメラ初心者がハマりがちな13の誤り -写真の上達方法-📸
写真初級〜中級者がハマりがちな13の誤りを箇条書きで伝えます。写真に伸び悩んでる人にきっと刺さるだろう言葉を置いておきました。

単焦点を使うことが、上手くなる近道だと思ってます。

それ故、ズームレンズは避け続けていました。手持ちのレンズは

  1. 35mm G master F1.4 (SEL35F14GM)
  2. 85mm G master F1.4 (SEL85F14GM)
  3. SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
  4. SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary

などなどです。

見てもらえばわかりますが、見事に35mm ~ 150mmに収まっているんですよね。

なのでこのレンズで撮ってるときに、「あー。ここでGMに変えたらどうなるんだろう・・。」って思ってしまいます。

逆にこのポートレートズームが完璧な故、めちゃくちゃGMに付け替えたい気持ちが高ぶってしまうのです。

以前までは撮影中に35mmと85mmを頻繁にガチャガチャ変えるスタイルでした。それを改善したいと思ったのが35-150mmを買った動機です。

確かにこれ一本でもこなせなくなはいですが、いい単焦点を持っているならサブに持っておいて、同じ画角で撮影することを強くおすすめします・・。

最後に

如何だったでしょうか?

個人的にTamron 35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058) 買うときに迷ったのが、ネット上の作例が少ない&微妙というところだったので、実際に2ヶ月間撮り溜めた写真をアップしました。

ボケも柔らかいですし、描写も素直で特に困ることはなかったです。

強いて言えば、現代的なレンズなのにかなり派手にフレア出るところです。

まぁそれも優等生なキャラのお茶目な一面として、愛せますが。

気になる人は要注意ですかね。

またTwitterInstagramなどのSNSに質問してくださっても構いません。

ではでは。素敵な写真ライフを!!